このお話は、確かに言われてみれば、そういうこともあるかなと思いますが、あんまり、高層ホテルに泊まって、階段を使うケースがなさそうなので、気づかないかもしれません。
非常時は、特に海外では危ないかもしれませんね。
タイでゴルフ旅行
数年前に定年退職をして、今はセカンドライフをそれなりに楽しんでいる66歳の男児です。そう、この出来事は、まるで男児そのもののようで恥ずかしい話でもあります。
現役時代に駐在していた事があるタイのバンコクには、未だに友人・知人が多く住んでいますので、リタイヤ後も年に1回は訪れて一緒にゴルフをしたりしています。
その時も、いつものように高層ホテルに宿を取り、37階の部屋から見慣れたバンコクの街並みを見下ろしながら1週間程の滞在を快適に過ごしていました。
一日おきにラウンドするゴルフの疲れは、伝統的な古式タイマッサージで翌日には回復させ、その翌日にはまたゴルフを、と繰り返していた或る日の朝の事です。
1階のロビーから電話があり、
「迎えに来たのだけど、どうかしたのか?」
と友人の声。
時計を見ると確かに約束の時間を過ぎていました。
寝坊した私は
「10分で降りるから」
と友人に伝え、大慌てで支度をして部屋から飛び出し、急いでエレベーターの所に行きました。すると、3基あるエレベーターのうち2基は低層階に、そして1基は丁度ドアが閉まって下降を始めたばかりでした。
非常階段で先回り
そこで目に入ったのが直ぐ近くに有った非常階段の扉でした。
そして、そのとき私が考えた事は、
「そこから非常階段を下って2・3階降りれば先回りできるのでは?」
でした。
そう考えたのは、そのエレベーターは、朝の時間帯は各階停止になる事が多かったからです。
とっさにそう判断した私は、非常階段の入り口の扉を開けて駆け下り始め、66歳にしては素早く3階下に到達したのです。そして34階の扉を開けようとしたのですが開きませんでした。
首を傾げている時に
「チン」
と言う音が聞こえ、エレベーターが更に下降する様子が想像できました。
そうすると、私も更に下へ、そして32階の扉を開けようとしたところ、そこも開きませんでした。
そこで、1階で待つ友人に電話をして、ホテルのスタッフに確認してもらった結果、不審者の侵入防止の為に、1階以外の非常階段の扉は中からは開かなくなっているとの事を知ったのです。
確かにそのエレベーターは部屋の鍵を挿入しないと上昇しないものでしたので、非常階段で各階に行く事が出来てはセキュリティー上の意味が無いのです。
反省しながら、次回は低層階に
方法は二つ、一階まで階段で降りるか、スタッフが扉を開けに来てくれるまで32階で待つかしかありませんでした。無論、結論は待つ事でした。
待ちながら
「何とバカな判断をしたのだろう」
と反省しつつ、火災の時には37階から1階まで階段を降りなければならない事の恐ろしさを想像していました。
そして次回からは低層階に泊まろうと考えていました。
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