荷物を持って欲しいと頼まれて
現在は60代後半に入ったリタイア組の一員ですが、数年前までは東南アジアを飛び歩くビジネスマンでした。この話はそんな現役時代の或る海外出張での出来事です。
バンコクからシンガポールへの移動で、スワナプーム空港のスイス航空チェックインカウンター前の列の中にいた時です。私の後ろに並んでいた一人の女性、歳の頃なら50歳前後のインド系の女性が話しかけてきました。
「あなたの荷物はその小さなスーツケース一つですか?」
私は仕事での出張の為、土産物や沢山の着替を持っていたわけでは有りませんので、確かに少ない荷物でした。そこで私が
「ハイ、それが何か?」
と答えると彼女は、自分の荷物が多いので少し持ってくれないか、と頼んできたのです。
私は彼女の荷物の一部を、カウンター横の機内預け荷物用の台まで運べば良いのだと思い、
「OK」
と言ってその荷物に手をかけたのですが、彼女は
「あなたの荷物として預けて下さい」
と言い、その理由を「オーバーチャージを取られたくないから」と言いました。
本当にあなたの荷物ですか?
それもそうだな、との親切心で了解し、その荷物を預けようとした時です。
スイス航空の女性カウンター職員が
「これは本当にあなたの荷物ですか?」
と私に尋ねたのです。一瞬答えに躊躇していると、
「もしもそうならば、この中に違法薬物などが入っていたとしたらあなたのものですね?」
そして「シンガポールでは微量の麻薬を所持しているだけでも死刑になりますよ」
と続けたのです。
そしてその後に小声で
「後ろの夫人の物でしょ、断るべきですよ」
とアドバイスをくれたのでした。実はその職員は、私とその夫人とのやり取りを見ていて、全てお見通しだったのです。
そして、税関で目にしたものは・・・
私が断った後、彼女がオーバーチャージをいくら払ったかは分かりませんが、出発ロビーで又一緒になっても目を合わせることは有りませんでした。
バンコクからシンガポールまでは約2時間、順調なフライトでチャンギ空港に到着してから、私は入国審査に進み、税関を通過して到着ロビーに出ました。そしてそこで何となくガラス越しに税関審査場を見た時でした。
例の夫人が大きな荷物を審査台の上に乗せ、中から何かを取り出して税関の係官に手渡していたのです。よく見ると、それはプライスタッグが付いている新品のTシャツでした。
驚いたのはその数、そして更に驚いたのが、税関の係官がその1枚1枚の肩部分にハサミを入れていたのです。現地の知人が言うには、販売目的のものには税金が課せられるか、売れないようされるかだそうです。
航空会社のカウンター付近での親切には十分注意しないといけないな、と実感し、スイス航空のあの女性職員に感謝した出張でした。
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