その他 英語、言葉に関すること

ニューヨークの地下鉄駅で見かけたおもしろパフォーマーの話

90年代ころまで、ニューヨークの地下鉄はとても汚くて、臭くて怖かった思い出があります。特に42番街の地下通路の乗り換えには、決して一人では行かないようになどと、「地球の歩き方」に書いてあったのを覚えています。

今でも、古さ、汚さは、日本人からすると相変わらずですが、随分と安全になったと思います。。。

マンハッタン観光にて

43歳の男性です、フリーランスで個人事業(翻訳など)をしています。

大学3年生の時(1990年代)にニューヨークのマンハッタンを観光した際の話を紹介します。現地には、1カ月滞在しました。有名な観光スポットを巡る充実した内容の旅行でした。当初は全行程を私一人だけで回る予定だったのですが、途中で同じ大学の1年下の学生と偶然知り合い、行動を共にすることになりました。

当時治安の悪かったマンハッタンで観光をする上では、道連れの存在がかなり心強く感じられたことをよく覚えています。
(なお、この後輩学生のことは、以下で単に「後輩」と呼びます。)

地下鉄を下車した先には・・・

私が経験したハプニングは、観光スポット巡りの途中で地下鉄を下車した少し後に起きたものです。どの駅だったかははっきり記憶していませんが、ミッドタウン地区の駅でした。

電車からプラットホームに出て間もなく、20人ほどの人だかりができているのが目に入ったところからこの出来事が始まります。
人が集まっている理由に興味を持った私は、後輩と二人で近づいてみました。すると、人だかりの中心に大柄な黒人男性の姿が見えました。年齢は30歳前後のようです。音楽を演奏していました。集まっていた人たちは、このパフォーマーの聴衆だったのです。

見たこともない楽器で魅了され・・・

このパフォーマーには、大変面白い特徴が一つありました。それは、演奏していた楽器です。楽器は明らかに自作のものでした。大きな金属製のタライの底に木製の長い棒を一本通しただけの極めて素朴な作りです。棒には弦のような細いひもが付いていました。このひもをはじいてチェロかコントラバスのように演奏していたのです。

素朴な外見の楽器ではありましたが、結構大きな音が出ていました。演奏していた曲も自作のようでした。ジャズ風の軽快な曲調で、聴衆もどんどん引き込まれていきます。場が盛り上がるにつれてパフォーマーの演奏にも力が入り、真冬(2月)だったにもかかわらず額には汗が光っていました。私も後輩も、粗末な楽器とそれから出る魅力的な音のギャップにすっかり魅了されました。

戦々恐々としながら振り返り・・・そして

演奏は10分ほどして一段落しました。聴衆は大喝采です。私も後輩も周囲の人と一緒に拍手を送りました。よいものが聞けたと感激して立ち去ろうかと思ったとき、パフォーマーの足元に投げ銭の入れ物があるのに気付きました。せっかくだからいくらか入れていこうと思い、ポケットにあった硬貨を何枚か投入しました。

ほぐれ始めた人だかりの流れに乗ってその場を離れようとした次の瞬間、背後でパフォーマーが叫びました。大きな声で「ヘイ!!ヘイ!!」と私に呼びかけているです。あまりに声が大きいので、近くにいた人も「どうしたんだ」という感じでこちらを見ています。投げ銭をしたのになぜ怒鳴られるのかと思い、戦々恐々としながら振り返りました。すると、パフォーマーが紙を1枚差しだしてきます。ライブパフォーマンスへの出演を宣伝するチラシでした。何だか分かってホッとしていると、パフォーマーは「聞きに来てくれよ!」と(英語で)言いました。

このようなちょっとしたハプニングもありましたが、マンハッタンではパフォーマーをたくさん見かけました。地下鉄のプラットフォームだけでなく、大きな公園などでも気軽に演奏を楽しむことができました。思ってもみなかった場所にものすごく面白いパフォーマーがいたりするので、マンハッタンを旅行する際には楽しみの一つにしてみるとよいと思います。

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