ハワイへ傷心旅行
40年以上務めた会社を定年退職し、今は仕事をせずにささやかなセカンドライフを楽しんでいる66歳の男性です。
この話は、40年以上前に私が初めての海外旅行として訪れたハワイでの話です。当時独身であった私は、ある女性との恋愛に終止符を打ったばかりでかなり落ち込んでいました。そんな姿を哀れんだ姉は「いつまでもウジウジしてないで、これでハワイでも行ってスカッとして来なさい!」と言い、旅行代金を出世払いで貸してくれたのです。
早速JALパックで4泊6日のハワイ旅行を申し込んだのですが、その時点では観光目的と言うよりも、失恋による傷心を癒す目的でしかありませんでした。
偶然居合わせた女性と・・・
出発当日は羽田空港に集合し、旅行会社からのブリーフィングを受けた後の時間を出発ゲート近くのコーヒーショップで過ごしていました。
暫くすると一人の女性が話しかけてきました。
「一人旅なのですか?」
私は軽くうなずき
「あなたも?」
と聞き返し、どこから来たのか?とかハワイで何をするの?等のお決まりの会話を10分ほどして機内に移動しました。彼女とは離れた座席でしたので次に会話をしたのはホノルル空港到着後のバス乗り場でした。
バスは簡単な市内観光をしながらホテルに向かいましたが、その道中、隣の席には彼女がいました。そしてそこでの会話で、お互いが失恋旅行であることが分かったのです。
バスがホテルに着き、その日の夕食を一緒にする約束をしてそれぞれの部屋に別れた時には、すっかり観光旅行気分になっていました。食事中の会話も弾み、彼女の希望で翌々日にはカウアイ島へ一緒に行く事になりました。
神秘的な結婚式
その日カウアイ島ではスミスボートと言う遊覧船に乗り込み、ワイルワ川をさか上ると神秘的な「シダの洞窟」に到着しました。
そこは、かつてハワイの王族が結婚式を挙げたり特別な儀式を行ったりした神聖な場所で、その後も日本人を含めた多くのカップルが結婚式を挙げている場所との事でした。そんな説明をガイドから聞き、遊覧船から降りる観光客を改めて見渡すと、確かにその殆どがカップルでした。
洞窟に入ると、現地のガイドさんが
「互いに手を取り合って下さい」
と言い、ハワイアン・ウェディング・ソングが流れ始めたのです。私が戸惑っていると彼女が手を差し出してきました。
「これって結婚式?」
そうです、私たちは共に失恋旅行中なのに結婚してしまったのです。そうして誕生した私達新婚カップルはその後ホノルルのホテルに戻り、今度は一緒の部屋に。。。とはいかず、今度も別々の部屋へと別れて行きました。
私がハワイアン・ウェディングの最中に頭に描いていたのが失恋した相手であったように、彼女も失恋相手の彼を描いていたのでしょう。そんな二人でしたが、日本に戻ってからの再会はなく、40年の時が流れました。
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